ICT×未来

NFVでテレビ中継網がさらに進化――SD-WANで広がる映像系IoTの可能性

文◎坪田弘樹(編集部) 2017.03.23

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

日本のテレビ網は世界初のSDN――。NTTコムは2012年からSDNを適用した広域網を放送業界に提供してきた。同社はこれをベースに、4K/8K時代の新サービスを生み出す「映像SD-WAN」を目指す。

我々が毎日視聴している地上デジタルテレビ放送。その基盤ネットワークにSDN(Software-Defined Networking)が用いられていることは、あまり知られていない。どころか、構築されたのは2012年のことだというから、我々は知らないうちに、世界で最も早くSDNが導入された最先端の広域ネットワークの恩恵を受けていたことになる。

NHKおよび民放各局が利用するテレビ中継網をSDN化したのは、電電公社時代からテレビ中継専用のバックボーンネットワークの設計・構築、運用を担ってきたNTTコミュニケーションズだ。技術開発部長を務める山下達也氏は12月に開催した説明会で、SDNの先進事例としてこの取り組みを紹介した。

さらに同氏は、その技術と運用ノウハウをベースとして、放送業界だけでなく多様な業種の映像系アプリケーション/サービスに活用できる「映像SD-WAN(Software-Defined WAN)」の実現を目指しているとも話した。「4K/8Kの時代には、映像はすべての業界に絡んでくる。映像SD-WANを我々の主力サービスにしたい」

回線切り替えをSDNで全自動化現在のテレビ放送において、SDNはどのように活用されているのか。

NTTコムは地上デジタル放送の基幹回線として、各テレビ局のキー局と系列局の番組配信や素材集信に使われる映像専用回線を提供している。24時間365日、1パケットのロスも許されないミッションクリティカル性の高いネットワークだ。同社は2012年、この回線上で提供する、テレビ局間を結ぶ映像伝送サービスにSDNを導入した。

それによって実現した機能を示したのが図表1だ。


図表1 テレビ中継網におけるSDNの活用機能の例
図表1 テレビ中継網におけるSDNの活用機能の例

 


放送運行においては、あるときは東京のキー局から全国の系列局に、あるときは東日本は東京から、西日本は大阪からといったように番組配信、つまり回線運用の形態が変わる。この回線切り替えを秒単位で行うのにSDNが使われている(図表1の左)。放送局側の担当者が予約システムに登録を行うと、指定した時間に自動的にそれが実行される仕組みだ。

もう1つ、複数局からキー局に集められる映像素材のスイッチングにもSDNは使われている。キー局の担当者はワンクリック操作で、中継映像を切り替えることができる。

この仕組みは、当時スウェーデンの新興ベンダーであったTail-f SystemsのSDNコントローラを使って実現されている。様々なベンダーのハードウェア、仮想アプライアンス、SDNコントローラと連携する汎用ソリューションとして設計されたもので、サービスの仕様に従ってネットワークを自動的に設定・制御する機能を持つ。なお、Tail-f社は2014年にシスコシステムズが買収。そのSDNコントローラは「Cisco Network Services Orchestrator」として現在、シスコのサービスプロバイダー向け製品の中核となっている。

2012年から運用を開始したこのテレビ中継網は翌年9月、欧州最大の放送機器展であるIBCの「Innovation Awards」を受賞。MPLSにSDNを適用した先進性と、映像伝送の運用性向上が高く評価されたという。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

limelight1805
d-link1805
ms1804

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】IoT FUTURE CITY
 [IoTは暮らしをどう変えるか]“おらが街”もデジタル化
 [柏の葉スマートシティ]IoT事業創造の一大拠点に
 [Fujisawa サスティナブル・スマートタウン]持続的に成長する街を
 [Fukuoka City LoRaWAN]IoTで変化を生み出す街


◆[インタビュー] NEC 河村厚男常務「キャリア事業を構造改革」 ◆「日中間通信」の課題と攻略法 ◆ソフトバンクが日本初のNB-IoT ◆モバイル市場の公正競争の今後 ◆急成長するシスコの“サービス”事業

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

インテル5Gをエンドツーエンドでカバー
新たな価値創出を目指すインテル

インテルは強みの仮想化技術で5G時代のネットワーク構築に貢献する。

コマーチキャリア向けOSS/BSSに強み
自動化やe-ヘルスで社会課題解決

自動化やe-ヘルスで多くの実績を持つコマーチが日本市場に参入した。

ブロードメディア・テクノロジーズ小森コーポレーションが
Aryakaで日中間通信を安定化!

日系企業の中国ビジネスに立ちはだかるのが通信環境の問題だ。

IIJグローバルソリューションズ日中間ネットワークの安定運用へ
VPN規制を乗り切る解決策提供

安定的な越境通信を実現するには何が必要か?

NTTコミュニケーションズIoTビジネスの種まきから結実まで
NTT Comの「次の一手」とは

自社発行型eSIMでの新サービス提供に期待!

SAS Institute Japanデータ分析の老舗、SASが提案するIoT時代のデータ活用

IoTのはじめの一歩を踏み出す前に考えるべきポイントは?

SigfoxSigfoxが開始1年で100万回線!
いよいよ花開くIoTビジネス

LPWAの代表格「Sigfox」の最新動向と活用事例を徹底レポート!

WatchGuard Wi-Fi Cloud不正APを自動遮断するWIPS搭載!
ソーシャルWi-Fiで販促支援も

セキュアな無線LAN環境を実現できる「WatchGuard Wi-Fi Cloud」

無線LAN構築・運用のポイントをSCSKが語る

無線LANの大きなトレンドとなっている「クラウドWi-Fi」で課題解決!

ジェイピー・セキュア導入実績100万サイト以上の
国産WAF「SiteGuard」

業界最速レベルで防御機能を提供するジェイピー・セキュアのWAF製品

ライムライト・ネットワークスクラウド型WAFでWebサイトを保護

ライムライトなら、自社のCDNやDDoS対策との多層防御でオリジンサーバーを攻撃から防御できる。

Office 365ユーザは使わなきゃ損
Teamsでチームワークが劇的に!

Office 365の新ツール「Teams」を使い始める企業が続出している。

CASO新技術のホワイトボックス
M2Mルーターは「切れない接続」

Foxconnグループでホワイトボックスを展開するCASO。

東京エレクトロンデバイスグローバル企業のSaaS活用を後押し
マルチクラウド化の準備はCASBで

マルチクラウドを一元的に管理したい。そんな望みを叶えられる。

拠点・モバイルをつなぐだけ!
クラウドの安全はシンプルに守る

クラウド利用の拡大とともに複雑化するセキュリティ課題を解決!

NetskopeCASBでクラウドはどこまで操れるか
既存のセキュリティとどう違う?
 

Netskopeを例にCASBの機能と使い方、メリットを整理した。

ソフトバンクソフトバンクがSMB向けの
ソリューションパートナー募集!

働き方改革を中心に新たなソリューション開発を支援する。

日本マイクロソフトSkype for Businessを
快適に使いこなすコツとは?

UCの導入効果を最大化するためには備えが必要だ。

日本ビジネスシステムズ“電話”からはじめる働き方改革!

日本ビジネスシステムズのクラウドPBXは、働き方改革を目指す日本企業にピッタリのIP電話サービスだ。

Dialpadピュアクラウドで進化し続ける電話

「PBXを買いたくない」「電話回線を引きたくない」。そんな企業に最適なクラウドテレフォニーがある。

東京エレクトロンデバイスIoTデバイス特化のAIで異常検知

IoTデバイスを狙ったマルウェアが急増中だ。ZingBox IoT Guardianは、IoTに特化したAIで検知する。

Aruba次世代NACでIoTの脅威をブロック

Arubaの次世代NACはエージェントレスでIoT端末にも対応! リスクを検知し有害端末を隔離できる。

アクセスランキング

月刊テレコミュニケーション20180226
ngn
compass

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます