企業ネットワーク最前線

アカマイが新戦略! 「ハイブリッドネットワーク」の普及をクラウドで後押し

文◎村上麻里子(編集部) 2017.02.16

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アカマイ・テクノロジーズ
バイスプレジデント 兼 EMEAおよび
APJ地域CTO ジェームズ・クレッチマール氏

アカマイ・テクノロジーズは、企業ネットワーク内で必要なテクノロジーをクラウドサービスとして提供する。これにより、専用線とインターネットのハイブリッドネットワークの普及を後押ししていく。

 

米アカマイ・テクノロジーズは、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)事業者として15年以上の歴史を持つ。世界120カ国以上に配置された約22万台のサーバーをカバーしており、各拠点に最も近いサーバーから高速かつ安定的な大規模コンテンツ配信を可能にする。

このため、Eコマースやゲームメーカー、製造業などグローバルに事業を展開する企業を中心に幅広く採用されている。

近年、DDoS攻撃などサイバー攻撃が急増しているが、インターネット経由でアプリケーションにアクセスをする環境では安全性や信頼性が求められることから、最近はセキュリティ分野にも事業を拡大している。そして2016年11月には、企業ネットワーク内で必要とされるテクノロジーをクラウドサービスとして提供する新たなソリューションを発表した。

クラウドベースでの提供に強み新製品ラインは「Enterprise Access」「Enterprise Security」「Enterprise Networking」の3種類で構成される。

1番目の「Enterprise Access」に属するEnterprise Application Access製品は、ファイアウォール(FW)内に配置された企業アプリケーションへの安全なアクセスを提供するものだ。

外部の委託業者を多く使っている企業の中には、彼らにノートPCを貸与し、ゲートウェイを通じて社内ネットワークへのアクセスを許可しているところが少なくない。しかし、外部の人間がインターネットを通じて社内のさまざまなリソースにアクセスすることができるようになると、それだけ脆弱性が入り込む余地が大きくなる。実際、企業のセキュリティ被害の多くが悪意の第三者によるものとされる。

企業アプリケーションへの安全なアクセス方法として、従来はADC(アプリケーション配信コントローラー)やVPNアプライアンス、アプリケーション監視ソリューションなどオンプレミスのハードウェアやシステムを用意しなければならず、企業にとっては初期投資、継続的な運用、リモートユーザーへのヘルプデスクの提供、数年毎のハードの更新プロジェクトなどが大きな負担となっていた。

Enterprise Application Accessは、これらをクラウド上で提供し、ID管理やシングルサインオンに加え、必要なアプリケーションのみにアクセスできるようにすることで、ボックスレスでセキュリティの担保したアクセスコントールが可能となる。これは、エンタープライズ向けのセキュアなアクセスを可能にするテクノロジーを持つ米Soha Systemsの買収により、実現したという。

 

アカマイ・テクノロジーズ
アカマイ・テクノロジーズが提供する「Enterprise Access」「Enterprise Security」「Enterprise Networking」は、世界中に分散したアカマイのプラットフォーム上でクラウドサービスとして提供する点が革新的であるとする

 

2番目の「Enterprise Security」のラインに属するEnterprise Threat Protectionは、DNSサーバー上にあるDNSリゾルバ(ドメイン名からIPアドレスの情報を検索したり、IPアドレスからドメイン名の情報を検索するソフトウェアプログラム)にアカマイのエンタープライズ向けセキュリティソリューションを置くことで、従業員がWebサイトにアクセスする際などのウィルス感染を防止する。

最近、DNSサーバーを乗っ取って不正サイトに誘導し、個人情報を盗み取るサイバー攻撃が急増しているが、それを防ぐことができるという。

また、世界中のエッジサーバーから収集される膨大なセキュリティデータを解析する「Akamai Cloud Security Intelligence」を活用し、Webサイトが悪意あるものかそうでないかを判別するので、悪意あるサイトに従業員がアクセスしようとするとそれを検知し、警告を発することも可能だ。

そして3番目の「Enterprise Networking」だが、増大する支店トラフィックや企業WANを取り巻く環境へ柔軟に対応するための、新しい選択肢を提供する。

現行の企業WANの構成として、本社と支店が専用線で接続されており、本社経由でインターネットへ抜ける構成が一般的だ。URLフィルタリングやアクセス管理の視点でのベネフィットはあるが、拡大する支店トラフィックによるパフォーマンスの悪化や回線コストの増加が、継続的な課題となっている。加えて、エンタープライズのソーシャル化やSaaS採用の拡大により、インターネット向けのトラフィックがさらに拡大することが予想される。そこで、支店からアカマイのプラットフォームへ直接接続し、セキュリティを担保した上で、高速化を実現する。高速化の実現には、①ルート最適化、②前方誤り訂正、③プロトコル最適化という3つの技術をベースとするアカマイの「Transport Optimization」を活用する。

Enterprise Networkingを構成する各テクノロジーは通信事業者のサービスへの組み込みという提供形態をとっており、アカマイはOrange Business Servicesとのパートナーシップをすでに発表してる。日本においても通信事業者とのパートナーシップを前提に、エンドユーザー向けに専用線網とインターネットのハイブリッドネットワークの活用を積極的に提案する予定だという。

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