EMMは次に「UC」を統合する――レコモット東郷CEOが語る

企業がモバイルを安全に活用するために必要なツールを統合的に提供する「EMM」。レコモットの東郷社長は、EMMの次なる進化のポイントは「モバイルユニファイドコミュニケーションだ」と予見する。

――企業がモバイルを安全に活用するためのソリューションに関しては、いくつかのトレンドの変遷がありました。そうしたなか一貫して独自のポジションを築いてきたのが、レコモットの「moconavi」です。

東郷 moconaviは、スマートデバイスから業務アプリケーションを安全・快適に活用するためのリモートアクセスツールです。我々は、セキュアなMAM(モバイルアプリケーション管理)と言っています。

かつてはリモートアクセスというと、セキュアブラウザやMDM(モバイルデバイス管理)が中心でした。特に2011年頃になると、MDMが数多く登場します。現在ではMDMベンダーはだいぶ淘汰されましたが、勝ち残ったMDMベンダーが今、何に注力しているかというと、EMM(エンタープライズモビリティ管理)という言い方でMAM機能を強化しています。

MDMベンダーが言い出す前からMAMを提唱してきた我々は、企業のモバイル活用の流れをしっかり予測できていたと言えるでしょう。moconaviのコンセプトは今、さらに時代にマッチしてきました。

――では、ビジネスも順調に推移しているのですか。

東郷 堅調に伸びています。今年3月末時点の数字ですが、moconaviのユーザー数は16万4000、導入企業数で言うと300社を超えています。

例えば、最近増えている導入理由の1つに、Office 365への移行があります。Office 365自体は堅牢なので、企業にとって課題となるのは、Office 365に接続するまでの経路と端末のセキュリティです。moconaviをOfffce 365のクライアントとして使えば、この2つの課題は容易に解決可能です。

まず接続経路については、moconaviのサーバーでいったん終端してから、Office 365に接続できます。このため、moconaviのIPアドレスだけに接続元を限定することが可能で、moconaviのアプリのログイン認証をパスしたユーザーしか、Office 365にはアクセスできません。VPNの構築などの必要なしに、セキュアな接続を手軽に実現できるのです。

また、端末のセキュリティについては、moconaviの大きな特徴である端末にデータを一切残さない点が貢献します。端末を紛失・盗難しても、データは端末に残っていないのですから、リモートワイプの必要もありません。

――オンプレミスの業務システムはもちろん、クラウドを安全に利用するためのソリューションとしてもmoconaviは広がっているのですね。

東郷 Office 365だけではなく、Google AppsやSalesforce、Sansan、Kintone、Box、Dropbox Enterpriseなど、moconviは主要なクラウドサービスに対応しており、今後さらに増やしていく考えです。

月刊テレコミュニケーション2016年10月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

東郷剛(とうごう・つよし)氏

国産ソフトウェアベンダでマーケティング職に従事ののち、複数のベンチャー企業立ち上げ携わる。2006年にレコモットを立ち上げ、2008年にモバイルソリューション「moconavi(モコナビ)」をリリース。メガバンクや通信キャリアなど多数の導入実績を有する

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