エンタープライズ向け無線LAN市場、グローバルは成長するも日本だけマイナス

米IDCは9月15日、グローバルの無線LAN市場に関する2016年第2四半期の調査結果を発表した。同調査によれば、エンタープライズ向け無線LAN市場は対前年比9.4%増となり、過去2年間で最大の成長率となった。

これは、機器更改のタイミングだったことや、デジタルトランスフォーメーションの一環として様々な企業において予算が確保されていたことが理由だと見られている。今後も、企業はデジタルエコノミーにおいて競争力を持つため、無線LANへの投資を続けるとIDCは予測している。

また、802.11ac対応の無線LANアクセスポイントの普及が進んでおり、全出荷台数の59.9%、全売上額の77.4%が、802.11ac対応のアクセスポイントとなった。この普及スピードは、数年前の802.11a/b/gから802.11nへ移行した時よりも速いという。

世界の各地域ごとの調査結果地域別に見ると、日本を除くアジアパシフィックは対前年比14.6%で最も大きく成長した。成長株はベトナム(同79.4%増)と韓国(同48.3%増)。西ヨーロッパは同13.6%増となり、最も成長したのはスペイン(同46.7%増)、次いでスウェーデン(同40.5%増)だった。中欧・東欧は同11.1%増で、クロアチア(同44.2%増)とルーマニア(39.9%増)が成長を牽引した。

グローバルの成長率を下回ったのは北米、中南米、中東アフリカ、日本の4地域。対前年比でマイナス成長だったのは日本のみで、同2.4%減となった。

そのほか、北米は同7.9%増、中南米は同6.8%増、中東アフリカは同1.5%増。中南米と中東アフリカの中で際立っていたのは、コロンビアとイスラエルで、それぞれ同132.0%増と同54.6%増だった。

キープレイヤーの動向とシェア無線LAN市場のキープレイヤーの最新状況は次のとおり。

シスコ:2016年第2四半期のグローバル実績は、エンタープライズ市場は同1.1%増。シェアは43.6%で、2016年第1四半期の45.2%より小さくなった。今後、シスコの無線LANの成長を牽引するのは、メラキのクラウド管理型無線LANだとIDCは考えている。

Aruba-HPE(OEMとH3Cは除く):2016年第2四半期は同6.1%減となったが、主な理由は中国でのH3Cビジネスにあると見られる。現在のシェアは14.6%で、2015年第2四半期の17.1%と2016年第1四半期の15.8%から落とした。

Brocade-Ruckus:2016年第2四半期は合併後初となる四半期を通しての数字になるが、結果は同7.9%増だった。市場シェアは6.8%で、2015年第2四半期の6.9%、2016年第1四半期の7.7%よりも縮小した。

Ubiquiti:脅威的に成長し、同95.3%増。シェアは4.2%で、2015年第2四半期の2.4%よりは増えているが、2016年第1四半期の4.3%より縮小した。

Aerohive:同34.1%増と大きく成長しており、シェアは2.7%で2016年第1四半期の2.3%より拡大した。

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