無線LANの電波出力&チャネルを「ゲーム理論」で自動制御――サイトサーベイ不要の新技術

アライドテレシスは2016年8月25日、京都大学と共同研究開発した新技術「Network AI」の記者発表会を開催した。同技術は、無線LANアクセスポイントを設置するだけで、電波出力とチャネルを「ゲーム理論」で自動制御する。これを利用すれば、サイトサーベイをしなくても最適な無線LAN環境を構築できるという。

アライドテレシスと京都大学大学院情報学研究科守倉研究室は、無線LANに関連する新技術を共同研究開発した。それは、無線LANアクセスポイント(AP)の電波出力およびチャネルを自動制御する「Network AI」という技術だ。無線LANを導入したいエリアに複数のAPを設置するだけで、電波干渉のない無線LAN環境を構築できるという。

一般的に、広いエリアで無線LAN環境を整備するには、複数のAPを設置することになるが、その場合、各APの電波干渉が問題となる。そのため、設置前に専門家がサイトサーベイを行い、電波出力や周波数チャネルなどを適切に設計した上でAPを設置するのが通例だ。

ところがNetwork AIを利用すれば、「サイトサーベイが不要になる。10mに1台くらいの間隔でAPを設置すれば、電波出力や周波数チャネルをAPが自動制御して、最適な無線LAN環境が自動的に出来上がる」。このように説明するのは、アライドテレシスGlobal Product Marketing部の盛永亮部長だ。

京都大学とアライドテレシスが共同開発した無線LAN環境では、サイトサーベイが不要になるという

アライドテレイシスは、「この新技術を活用した無線LANアクセスポイントを2017年2~3月頃に販売開始する予定」(アライドテレシス上級執行役員マーケティング本部の佐藤誠一郎本部長)。販売対象と想定しているのは、100台以上のAPを設置するような大規模な無線LAN環境だ。現在は同社のAP「TQシリーズ」にNetwork AIを実装し、実機での試験を行っているという。

続きのページは、会員の方のみ閲覧していただけます。

関連リンク

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

FEATURE特集

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。