ソフトバンク孫社長「ARMはシンギュラリティの重要な一手」――1兆個のチップを地球上にばら撒く

本日から都内で開幕したソフトバンクグループの法人向けイベント「SoftBank World 2016」。その基調講演のトップバッターとして孫正義社長が登場し、いま話題になっている約3.3兆円のARM買収の意味、そしてソフトバンクが描く未来について語った。

「ARMはシンギュラリティの重要な一手になる」――。2016年7月18日に買収を発表したファブレスの半導体企業ARMについて、ソフトバンクグループの孫正義社長はこう説明する。

孫社長は、シンギュラリティのキーワードとして「AI」「スマートロボット」「IoT」の3つを挙げる

シンギュラリティは日本語にすると技術的特異点だが、ここで孫社長が言うシンギュラリティとは「コンピュータの人工知能(AI)が人間の知性を超える日」のこと。

人間のIQの平均は100で、アインシュタインやレオナルド・ダ・ヴィンチなど天才のIQは200前後。それに対して、今から30年後には人工知能のIQは1万になると見られており、そんな人間の知性の約100倍にもなる「超知性」を備えたコンピュータによるシンギュラリティの時代が来るという。

ARMで森羅万象からデータを吸い寄せるそのシンギュラリティのために、なぜARMが重要な一手になるのだろうか。

孫社長によれば、「データを大量に吸い寄せて学習し、思考するのが超知性。その超知性に地球上の森羅万象からデータを吸い寄せるための鍵が“チップ”で、チップがなければデータは吸い寄せられない」。

ARMは工場を持たないファブレス企業のため、チップを製造しているわけではない。しかしプロセッサの研究開発・設計を行い、その設計図を世界中の様々な半導体メーカーにライセンス販売している。

ARMは自らチップを製造せず、その設計図を半導体メーカーにライセンス提供している

半導体メーカーがARMのアーキテクチャで製造したチップは、様々な電子機器に搭載されており、昨年だけで約148億個が出荷された。この数は、主にPCに入っている「インテルのチップの約10倍にもなる」(孫社長)という。

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