NECは2016年5月25日、工場の製造現場などのIoTデバイスを、遠隔からリアルタイムに制御できる無線ネットワーク技術を開発したと発表した。
ロボットや金属による電波の反射・減衰が起こりやすい工場は、無線ネットワークにとって過酷な環境といえるが、そうした環境でも安定した通信を実現できるという。
今回発表したのは、NECのネットワーク技術「ExpEther」を無線化した技術。ExpEtherは、コンピュータの筐体内部で利用されるシリアルバス規格PCI Expressを、有線のイーサネットを通じてコンピュータの筐体外まで伸長するもの。
ExpEtherを無線化するにあたって、NECが開発した1つが「非再送型冗長符号化」技術だ。無線環境ではパケットロスが頻発するが、消失したパケットを再送することなく受信側で復元するにより、無線環境でも安定した通信を可能にするという。
また、ExpEtherを無線環境で使用する場合、PCI Expressの要求性能を超える伝送遅延が発生するとコンピュータが誤動作するという課題があるが、パケットの伝送遅延の推定を可能にすることで解決した。
NECでは、ExpEtherの無線化により、膨大なセンサーや製造機器などとの低遅延かつ安定した無線通信を実現。これらの機器のリアルタイム制御を可能にするとしている。
