導入・選定ガイド

ネットワーク監視ツールの現在【前編】――通信事業者やISP、MVNOの最新トレンドは?

文◎坪田弘樹(編集部) 2016.02.26

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

ネットワークを介して利用するアプリ/サービスの多様化、トラフィックの増大に伴って、ネットワーク監視ツールの需要が高まっている。前編では、通信事業者/サービスプロバイダーや大企業におけるネットワーク監視ツールの最新動向を紹介する。

 

ネットワークの異常を迅速に検知・診断したり、トラフィックの状態を可視化・分析して安定稼働と運用負荷削減を実現するなど、ネットワークの運用監視に不可欠な役割を果たしているネットワーク監視ツール。多様なアプリケーション/サービスが利用されトラフィックも増大するのに伴い、その重要度はますます高まっている。

さらに、セキュリティ脅威の増大も、ネットワーク監視の必要性を高める背景となっている。マルウェアの侵入や感染の拡大、データの改ざん・漏えいをいち早く検知して対応を行うのに役立つためだ。

こうした理由から、ネットワーク運用自体を事業とする通信事業者/サービスプロバイダーや、大規模ネットワークを運用する大手企業だけでなく、最近では中堅中小企業でもネットワーク監視ツールの需要が高まっている。SolarWinds社製の大規模ネットワーク向け監視ツール「SolarWinds NPM」から、中堅中小向けのPaessler社製「PRTG Network Monitor」まで、複数の製品を取り扱うジュピターテクノロジー 営業開発部営業4課 担当課長の鈴木文昭氏は「最近は小規模なお客様からの問い合わせも増えてきた。クラウドを使うためのネットワークの監視をしたい、顧客情報を管理するための環境を整えたいといった目的が多い」と話す。

ネットワーク監視ツールには、監視対象の種類や規模、機能の豊富さによってさまざまな製品があり、小規模ネットワークであれば、フリーソフトで事足りるケースもある。だが、そもそも中堅中小企業にはこれから広がっていく段階であり、商用版についても鈴木氏は「掘り起こせる市場はまだ相当ある」と語る。実際、同社の場合、大規模向けのSolarWinds製品よりも「ミドルレンジ向けのPRTGのほうが相対的に伸びている」という。

一方、通信事業者/SP 等の大規模向けでも、新たな課題やニーズに応えるための機能や新製品の開発が進んでいる。本稿では、前編で通信事業者/サービスプロバイダー等の大規模監視における最新トレンドを、次回の後編で中堅中小向け製品動向を見ていく。

通信事業者/サービスプロバイダーで進むOSSの統合非常に複雑な多層構造となっている通信事業者/サービスプロバイダーのネットワーク運用を支えるOSS(Operation Support System)では、ネットワークインフラの物理的な状態(機器の故障や障害発生)の監視と、その上で稼働するサービスの品質監視、機器のパフォーマンス監視の3つが中心だったが、最近では監視対象を広げて、ユーザーの体感品質を可視化・分析する方向へと高度化してきている。

国内外の通信事業者とともにOSS製品の開発を進めてきた日本ヒューレット・パッカード 通信・メディアソリューションズ統括本部 OSS担当営業部長の迫田健氏は次のように話す。

「ここ2~3年で急激に要望が高まっているのがユーザーエクスペリエンスの分析だ。アラーム監視と品質・パフォーマンスの可視化だけでなく、ユーザーが使う端末の性能や基地局の状態など多様なデータを集めて相関を分析する方向へと進んでいる」

同社では、収集した情報の相関関係を基にサービスへの影響や原因解析を支援する「HPE Unified Correlation Ana lyzer」や「HPE OSS Analytics」といった製品群でこのニーズに応えている。

ユーザーの体感品質を可視化・分析するという方向性は通信事業者に限らず、コンテンツ配信事業者等でもニーズが顕在化すると考えられる。監視対象範囲の拡大と分析技術の活用は、今後のトレンドとなりそうだ。

もう1つ注目されるのが、インフラ設備やサービスごとにサイロ化されたOSSの統合だ。

理想的には、個別運用されていた複数のOSSを1つのシステムに統合するのが望ましいが、それには多大なコストがかかる。そこでヒューレット・パッカードは、既存のOSSはそのまま使いながら、データのみ集約して統合的に監視できるようにするアプローチを進めている。「特定の加入者ごとに、契約しているサービスやその基盤となるインフラの状態を可視化できるようにする」(迫田氏)のだ。

これは、ネットワーク全体を監視・制御するネットワークオペレーションセンターにおける業務を効率化するために始まった取り組みだが、活用シーンはそれだけでなく、コールセンターにおける顧客対応の高度化にも役立てることが可能だ。複数のOSS製品と連携して統合ビューを提供する「HPE Unified OSS Console」を通してオペレータが、ユーザーIDを元にサービス品質や障害の状態、復旧状況等を見ることができるようになる。

通信事業者の法人部門がこの情報を活用してSLAの維持に役立てるといった用例も出てきているという。

続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

kyowa1801
softbank1801
broadmedia1801

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】ネットワーク未来予想図
     ~これから2020年までに起こること~


◆[インタビュー]原田博司 京大教授「Wi-SUN FANが海外で人気! LPWA市場で世界第3位へ」 ◆ブロックチェーンにIoT担当者が注目すべき理由 ◆SD-WANの2018年 ◆Skype for Businessが働き方を変える ◆“業界3位” エクストリームネットワークスの野望

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

日本マイクロソフトWindows 10/Office 365の更新
これだけ知っていれば怖くない!

ネットワーク帯域を圧迫するアップデートをうまく乗り切るには?

チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズチェック・ポイントのSMB戦略
あらゆる環境で攻撃を未然に防ぐ

日本向けにローカライズし、パートナーもユーザーも扱いやすく。

ロジクールSkype for Business用
会議室コンソール「SmartDock」

働き方改革に有効なSfB会議が簡単かつ安全に始められる!

協和エクシオSfB導入の課題解決をサポート

協和エクシオは通建事業60年のノウハウを活かし、Skype for Business導入トータルサービスを提供する。

ソフトバンクSkype for Businessの利用促進
コスト大幅削減を実現するには?

ソフトバンクのGlobalMeet電話会議サービスで実現可能だ。

ブロードメディア・テクノロジーズグローバル企業の悩みを一掃!
“本当に使える”SD-WAN基盤

WANの課題を一掃するAryakaの
SD-WANが心強い味方になる。

NECネッツエスアイSilver PeakのSD-WANは
独自技術でSaaS通信をフル制御

「SaaSを快適かつ安定的に使いたい」という企業ニーズに応える。

日商エレクトロニクスクラウドが快適に使えるSD-WAN

日商エレクトロニクスが販売する「Cisco SD-WAN」(旧Viptela)は、常に進化し続けるSD-WANだ。

サクサ中小企業も容易にセキュリティ対策

サクサのUTM「SS5000」は、コンパクトながら充実機能。外部だけでなく内部の脅威にも対応できる。

Office 365ADCでOffice 365通信の課題解決!

Office 365通信の課題であるプロキシ/FWの負荷増大と運用の複雑化を一気に解決するのがADCだ。

ウォッチガード・テクノロジー・ジャパンネットワークとPCを同時に守る!

ウォッチガードはNW防御にエンドポイントでのセンサー技術を組み合わせ、包括的で効果的な対策を実現!

サイバーリーズンAIで攻撃の兆候をリアルタイム検知
既知だけでなく未知の脅威も防御

AIを活用した独自分析技術で、悪意ある振る舞いを検知するEDR製品。

パロアルトネットワークスGTP-C/GTP-Uのセキュリティ強化
次世代FWをモバイル網に適用

携帯電話事業者のネットワークは次世代ファイアウォールが守る。

NECマグナスコミュニケーションズPHS/ISDNからLTEへ簡単移行!

「マルチキャリアで冗長化したい」「シリアルI/Fなど既存環境に手を加えたくない」といった声に応える。

アットマークテクノ柔軟な拡張性・出荷実績30万台の
安心感の日本製IoTゲートウェイ

ASEAN中心に認証を取得で、IoTシステムの海外展開にも便利だ。

Office 365導入を成功に導くため NWを見直すべき10のポイントOffice 365導入を成功に導くため NWを見直すべき10のポイントOffice 365導入を成功に導くため
NWを見直すべき10のポイント

実際の失敗例をもとに、ネットワークの見直しのポイントを整理する。

無線LAN APだけで電子証明書も運用可能に 運用管理を容易化する工夫も満載!無線LAN APだけで 電子証明書も!

ヤマハのAPは内蔵コントローラ で複数のAPを統合管理できる。セキュリティ機能も充実だ。

Wi-Fiの見えない脅威を可視化・防御 ワイヤレスIPSをお求めやすい価格で!「見えない脅威」にさらされている
無線LANをどう守る?

Wi-Fiの見えない脅威を可視化・防御するワイヤレスIPSを手頃な価格で!

オンプレミス型のPBX/ビジネスフォンは“時代遅れ”では決してない。

機械学習/AIを使った自律運用型ネットワークをArubaは提案する。

ウォッチガードなら「導入運用の容易性」と「強固なセキュリティ」を兼ね備えたWi-Fi環境が手に入る。

アクセスランキング

月刊テレコミュニケーション201712
wj2018b
compass
packet

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2017 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます