IoT/ビッグデータ/AI時代に向け、IoT利活用促進へ産官学の連携組織「IoT推進コンソーシアム」が発足

「IoTにより、日本、そして世界が大きく新しく動こうとしている。そのために、さまざまな分野や省庁を越えて、多くの人が集まることができたことを嬉しく思う」――。「IoT推進コンソーシアム」の発起人の一人である慶応義塾大学環境情報学部長兼教授の村井純氏は、10月23日に開催された設立総会の冒頭で語った。

設立総会には大勢の関係者が集まった

同コンソーシアムは、産学官が連携し、IoTに関する技術開発・実証、そして新たなビジネスモデル創出を推進するための体制構築を目的として設立された。10月23日時点での会員数は、750の企業・団体となっている。

都内で開かれた設立総会には、高市早苗総務大臣、林幹雄経済産業大臣、星野剛士経済産業大臣政務官、太田直樹総務大臣補佐官、またコンソーシアム発起人で会長に選任された村井純氏、副会長に選任された日立製作所執行役会長兼CEOの中西宏明氏、同じく副会長に選任されたNTT代表取締役社長の鵜浦博夫氏が出席した。

来賓挨拶に立った高市早苗総務大臣

来賓挨拶で登壇した高市大臣は、「成長分野において、投資促進、雇用拡大で未来社会を目指すことはアベノミクスの第2ステージの最重要課題」であり、「先日、日本経済再生本部のもと行われた官民対話においても、IoTはその鍵を握る分野として取り上げられた」と述べ、同コンソーシアムの活動を通じて、IoTのインフラ基盤やデータ活用など、さまざまな分野で投資機会が生まれることへの期待感を表した。

ドイツのIndustrie 4.0では、産学官が従来の枠組みを越えて結集していること、そして世界では標準化や個人情報の取扱などについて非常に速いスピードで検討が進んでいることなどをあげ、日本発のベストプラクティスを創出していくことが大切であると述べた。

来賓挨拶に立った林幹雄経済産業大臣

次に挨拶に立った林大臣は、国民が新たな時代の到来を実感できるよう、「具体的なビジネスを次々に生み出し、現実社会に展開していくことが重要」で、そのために政府も「事業展開の妨げとなる規制などの聖域なき改革、新たなグループ形成・立ち上がりの資金援助など、最大限に取り組む」と語った。経産省、総務省、文科省といった「縄張り」に関係なく、前に進めていくという。

IoT推進コンソーシアムの会長となった慶応義塾大学環境情報学部長兼教授の村井純氏

最後に再び登壇した村井氏は、「政策でもビジネスでもIoTに対する期待が高まっている」として、インターネットでつながる多様なデバイスから生じるデジタルデータや、それらのデータの処理をする人工知能(AI)などにより、新しい市場がこれから始まろうとしているところにIoTの意義があると強調した。

さらに、「世界中で、IoTは日本から生まれてくるという期待感が高い。その理由は、デバイスや新たに創出されるサービスの信頼性、それらの品質への信頼感が日本にはある」としたうえで、日本におけるIoT技術の発展や標準化などの成果が、世界全体に貢献していくことが大切な使命であると語った。

民主導の組織であるIoT推進コンソーシアムでは、「技術開発ワーキンググループ」「先進的モデル事業推進ワーキンググループ」「専門ワーキンググループ」が設置され、これに対して総務省、経済産業省、情報通信研究機構(NICT)、日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)などが協力する

それを実現すべく、各産業分野や企業、各省庁をまたがった横のつながりを展開し、サイバーセキュリティ対策や適切なプライバシー対応を行い、信頼性のある安心で安全なIoT社会を作り出すことを目指して取り組んでいくという。

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