F5のジャパン戦略とは?「“L4-7の統合”が成長戦略の軸に」

ADC市場でトップシェアを誇るF5が、“ソフトウェアディファインド”時代の成長戦略を打ち出した。今年5月にF5ネットワークスジャパンの代表取締役社長に就任した古舘正清氏に国内における成長戦略を尋ねた。

――F5ネットワークスジャパンの成長戦略の軸として「Software Defined Application Services(SDAS)」を打ち出しました。SDASは何を目指すものですか。

古舘 SDASは、アプリケーションごとに最適なIT/ネットワークインフラをデザインできるようにすることを目指した新しい概念です。

インフラは、アプリケーションをセキュアかつ快適に利用するためにあるものです。しかし、従来は別々に作られて運用されていたために、新しい要件にタイムリーに対応することができず、ビジネスの俊敏性を阻害していました。アプリケーションを起点としてリソースを割り当てられるインフラを作ることで俊敏性を向上させることがSDASの目的です。

――Software-Defined Networking(SDN)と同じようなビジョンと捉えれば良いのでしょうか。

古舘 SDNもアプリケーション起点でリソースを割り当てるという点では同じですが、我々が強調したいのはレイヤ4-7(L4-7)の重要性です。

SDNによって、インフラを構成するハードウェアやソフトウェアはコモディティ化していきます。今後はL4-7が差別化のポイントになり、ロードバランシングやセキュリティ等のL4-7の機能をアプリケーション単位に柔軟に割り当てられるインフラを作ることが求められるのです。

F5は、これを実現するためにL4-7の「統合プラットフォーム化」が重要と考えています。

現在のL4-7は、ADC(アプリケーションデリバリコントローラ)やファイアウォール、WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)、アクセス制御等の機能を個別に提供するポイントソリューションが多く使われています。これでは多くのアプライアンスを運用・管理しなければならず、要件の変更に迅速に対応できません。

これらL4-7の機能をすべてソフトウェアとして1つのプラットフォーム上に集めてしまえば(図表)、運用管理も楽になりますし、同じアーキテクチャで動いていれば要件変更への対応も容易になります。

図表 統合プラットフォーム化の推進
統合プラットフォーム化の推進

月刊テレコミュニケーション2015年8月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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