無線LANはトライバンド時代へ!60GHz帯活用の「11ad/WiGig」を徹底解説

60GHz帯(ミリ波)を使った超高速の無線LAN規格「IEEE802.11ad/WiGig」が実用化段階に入った。最大7Gbpsの新無線技術を、さまざまな場面で活用しようとする取り組みが進んでいる。

超高速通信を実現する新たな無線LAN規格「IEEE802.11ad」(WiGig)が注目を集めている。

11ad/WiGigは、60GHz帯を使って最大7Gbpsのデータ転送を可能にする無線通信規格だ。2.4/5GHz帯を利用するWi-Fi(11a/b/g/n/ac)の端末が増加・多様化し、その周波数帯が逼迫するなか、60GHz帯には動画をはじめとする大容量データの伝送を担う役割が期待されている。

無線LANの業界団体であるWi-Fi Allianceはすでに2013年に、機器間の相互運用性を認証するプログラム「WiGig CERTIFIED」を発表しており、当初予定からは遅れたものの2016年初頭に認証試験を開始する予定だ。また、11ad/WiGig搭載製品の出荷もすでに始まっている。

日本ヒューレット・パッカードが今年、法人向けタブレットPCとWiGigで接続する「HPアドバンスド無線ドッキングステーション」を発表した(以下「無線ドック」)。無線ドックはHDMIやUSB3.0、イーサネットポート等を備えており、従来はPCと直接ケーブル接続していた大型ディスプレイやマウス・キーボード、HDD等の機器を集約してタブレットPCとWiGigで接続する。無線ドックの近くにタブレットPCを置くだけでデスクトップPCのように使えるのが利点だ。デルも5月に同種の無線ドックを発売している。

HP アドバンスド無線ドッキングステーション
日本HPが販売する「HP アドバンスド無線ドッキングステーション」(左)。無線ドックに
ディスプレイや周辺機器のケーブルを挿し、これとノートPCやタブレットPCを11ad/WiGigで接続する

11ad/WiGig対応チップを提供するインテルでネットワーク製品マーケティング・マネージャーを務める梅野光氏は、「新しい技術であるため、PCメーカーが一斉に搭載するという形にはまだなっていないが、WiGigを体感した人からその使い勝手の良さが広がることで数量はどんどん増えていくだろう」と話す。

インテル 梅野光氏
インテル アジア・パシフィック・ジャパン 営業マーケティング本部 製品マーケティング事業統括部 ネットワーク製品マーケティング・マネージャー 梅野光氏

月刊テレコミュニケーション2015年7月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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