知られざるインターネットの巨人は「IoT」でも王者になるのか?

世界のインターネットトラフィックの約3割を運び、「知られざるインターネットの巨人」と形容されることもあるアカマイ・テクノロジーズが、IoTに注力し始めている。2020年には500億台のデバイスがネットワークにつながると予測されているが、IoTが生み出す膨大なデータをどう処理するのか――。アカマイが有する全世界17万5000台以上のエッジサーバーで、IoT時代を支えようとしているのだ。

IoT(Internet of Things)への取り組みが、あらゆる産業で活発化している。もちろん、GEやテスラ・モーターズ、コマツなどの成功例がある一方で、ほとんどの企業はまだ模索段階にあるわけだが、課題は具体的なサービスのアイデアやビジネスモデルなどだけではない。ネットワークをはじめとするテクノロジー面でも、いくつもの課題が浮上している。

「IoTには解決しなければならない4つの課題がある」と指摘するのはクリス・アレキサンダー氏だ。同氏は、全世界のインターネットトラフィックの約3割を運ぶ世界最大のCDN事業者、アカマイ・テクノロジーズでチーフ・ストラテジストを務めている。

アカマイ・テクノロジーズ チーフ・ストラテジスト クリス・アレキサンダー氏
アカマイ・テクノロジーズ チーフ・ストラテジスト クリス・アレキサンダー氏

1つめの課題は、システムやプロトコルの複雑性だという。

「クルマや家電、農業、エネルギー関連など、あらゆるタイプのデバイスがIoTの世界ではネットワークに接続してくるわけだが、これらデバイスのほとんどはiOSやWindows、Androidなどではなく、独自開発された組込みデバイスだ」

このため、「異なるシステムやプロトコルを持ったデバイスから送信されるデータを、どうやって信頼性のあるかたちで収集するか」が、まず1つめの課題になるという。

例えばスマートホームを思い浮かべてみよう。家庭内にあるサーモスタットや開閉センサー付きドア、家電、スマートフォンなどがネットワークに接続。これらデバイスから送られてきた情報をもとに、空調の自動制御など、様々なインテリジェントな意思決定が自律的に行われていく世界だ。

ところが、こうした世界を実現するためには、デバイスごとに異なるシステムやプロトコルの“調整役”を、誰かが担わなければならない。

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