「Wi-FiがIoTに適している3つの理由」――Wi-Fi Allianceが無線LANの最新動向を説明

Wi-Fi Allianceは2014年9月16日、Wi-Fiの最新動向に関する記者説明会を開催した。今回の会見では、Wi-Fi DirectとIoTへの取り組みに関する説明が中心を占めた。また、第2世代11acやWiGigの認定プログラムの開始時期についても言及された。

Wi-Fi Directは、無線LANアクセスポイントを介さず、スマートフォンやタブレットなどのWi-Fi対応デバイス同士を直接接続することができる技術。2010年に認定プログラムが導入された。

Wi-Fi Direct認定製品の数は6000以上に及び、出荷台数も2014年に20億に達すると予測されている。Wi-Fi Alliance マーケティング担当 ヴァイス・プレジデントのケリー・デイヴィス・フェルナー氏は「ほとんどのWi-FiクライアントがWi-Fi Directをサポートしている」と順調に普及している現状を説明した。

Wi-Fi Direct対応デバイスの普及状況と今後の予測
Wi-Fi Direct対応デバイスの普及状況と今後の予測。右グラフは、明るい緑色の部分がWi-Fi Directをサポートしないデバイスを示している

そして、この日紹介されたのが、Wi-Fi Directの普及をさらに促進するための機能拡張だ。従来、Wi-Fi Directによるコンテンツの送受信、印刷、そしてDLNAやMiracastの利用においては、「発見、接続、実行」の3ステップが必要だったという。しかし今回の機能拡張により、ユーザーは「シングルステップで発見、接続、実行を行えるようになり、ユーザーエクスペリエンスが向上する」とのこと。

また、開発者にも恩恵をもたらす。Wi-Fi Directを利用したアプリケーションを開発するための「Wi-Fi Direct Toolkit」が提供され、Wi-Fi Directに対応したプリンターなどが以前より容易に開発できるという。

Wi-Fi Directの機能拡張の概要
Wi-Fi Directの機能拡張の概要

「IoTはWi-Fiにとって見逃せない機会」

機能拡張により、接続性が向上したWi-Fi Direct。そのWi-Fi Directが見据える新たなマーケットがIoT(Internet of Things:モノのインターネット)である。「IoTは、Wi-Fi Directにとって、またWi-Fiにおいても決して見逃せない」とフェルナー氏。IoTとスマートホームにより創出されるWi-Fi市場の規模は、今後急速に拡大していくという。

Wi-Fiは、IoTの技術要件を満たすという
Wi-Fiは、IoTの技術要件を満たすという

IoTにWi-Fiが特に適している理由として、フェルナー氏が挙げた点は次の3つだ。まずは「すでに何十億と使われているスマートフォン/タブレットを統合していけること」。2点目は、「レガシー互換の長い歴史があること」。冷蔵庫などの家電製品の場合、10年に1回しか買い替えないということも普通なわけだが、Wi-Fiは古い機器との相互接続でもすでに実績がある。

そして最後はセキュリティやプライバシー。「もちろんIoTにおいてもセキュリティは非常に重要だが、Wi-FiはWPA2を中心に高度なセキュリティを提供している」とした。

なお、会見では「IoT向けでは、Bluetoothと競合するのではないか?」という質問も出たが、「Wi-FiとBluetoothは補完的な関係」というのがフェルナー氏の答え。「それぞれ解決できる課題は異なり、事実、Wi-FiとBluetoothの両方を組み合わせたチップもよく目にする。IoTでも両方が使われていくだろう」と語った。

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