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【在宅介護がiPadで変わる!】開始2カ月で2000人超のケアマネに広まったカイポケタブレット

文◎太田智晴(編集部) 2014.06.26

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在宅介護の現場で中心的役割を担うケアマネジャー。その業務をiPad Airにより支援するサービス「カイポケタブレット」が今年4月から始まった。利用者の数は開始2カ月で2000人を突破。ケアマネジャーの業務負荷削減に貢献するのに加え、介護サービスの質向上にもつながる点が、急速に広まっている理由だ。

「在宅介護は、ケアマネジャーを中心に動く構造」

在宅介護はホームヘルパーや訪問看護師など様々な関係者の協力で成り立っているが、カイポケタブレットは介護支援専門員、通称「ケアマネジャー」向けのサービスだ。本題に入る前に、まずはケアマネジャーの仕事内容の紹介から始めよう。

ケアマネジャーの仕事は、要支援・要介護認定を受けた本人やその家族と相談のうえ、どのような介護サービスが必要かどうかをアセスメント(査定)してケアプランを作成することだ。介護サービスの開始後も、利用者の状態を定期的にモニタリングしながらケアプランの見直しを行っていく。

さらには、他の介護サービス事業者との連絡・調整も、ケアマネジャーの大事な役割である。「在宅介護は、ケアマネジャーを中心に動いていく構造になっています」と大日向氏は解説する。

最適なケアプランを提供し続けるためには、利用者が今、どんな介護サービスを必要としているのか――利用者の状態を常に把握しておくことが大切だ。このためケアマネジャーは月1回、利用者のもとへ定期訪問することが法令で義務づけられているが、実際には月1回以上、訪問するケースが多い。

今回の取材では、カイポケタブレットを実際に利用するケアマネジャーの方に話を聞くことができたが、「今日の午前中は3件訪問した」とのこと。このように外出の多いケアマネジャーの業務を支援するため、登場したのがカイポケタブレットである。

 

ケアマネジャーの業務分析で分かった「非効率性」

では、カイポケタブレットはどんな機能を備えているのだろうか。

ケアマネジャーの大事な業務の1つに、「支援経過」の記録がある。ケアマネジャーには、介護サービスに対する満足度や援助目標の達成度、各介護サービス事業者との調整内容などの記録が義務づけられているが、これが支援経過記録だ。

記録に不備などがあると、ケアマネジャーの報酬である居宅介護支援費が減算されることもある。つまり、ケアマネジャーにとっては必須の業務なわけだが、同時にケアマネジャーにとっては大きな負担にもなっていたという。それは従来、効率的に支援経過を記録することが難しかったからだ。

「ケアマネジャーの多くは、外出先で取った手書きメモや記憶などを頼りに、帰社後や月末などにまとめて経営支援記録をPCで打ち直しています。その場で入力できるのが理想的なのですが、これまで外出先で支援経過を入力するための方法がなかったためです。ケアマネジャーの業務を分析するなか、こうした非効率性があることが分かったことから、我々はカイポケタブレットを開発しました」

カイポケタブレットの入力画面例
カイポケタブレットの入力画面例



大日向氏がこう語る通り、カイポケタブレットのメインの機能は、外出先で効率的に介護支援記録を入力するための機能だ。介護現場で利用者の話を聞きながら、あるいは移動中などの空き時間に、iPad Airのタッチ操作で選択肢を選んだり、ソフトウェアキーボードを使って、介護支援記録を入力することができる。

また、介護サービス事業者間の連絡には主にFAXが使われているが、カイポケタブレットでは介護サービスの提供計画表や保険証のコピーなど、iPad Airで撮影した写真や作成した文書をFAX送信することが可能だ。

iPad Airから写真や文書をFAX送信することもできる
カイポケタブレットを利用すると、iPad Airから写真や文書をFAX送信することもできる



さらに、この6月からは、福祉用具や医薬品、行政関連の情報など、利用者に伝達すべき情報やケアマネジャーが把握しておくべき情報を、iPad Air上で閲覧できる機能も順次提供していく。

カイポケタブレットの導入効果について、前出のケアマネジャーの方は、「その場や移動中などに入力できるので、本当に助かっています」と顔をほころばせる。

公園のベンチに座り、iPad Airで介護支援記録を入力するケアマネジャーの方
公園のベンチに座り、iPad Airで介護支援記録を入力するケアマネジャーの方。写真はイメージだが、空いた時間を利用して公園などで入力することは実際多いという

注目したいのは次のコメントの通り、事務作業負荷の削減だけではなく、介護サービスの質向上への貢献も大きいと実感している点だ。

「ケアマネジャーは1人で何十人の利用者さんを担当しているため、次から次へと電話もかかってきます。ですから、最優先すべきことは当然覚えているのですが、それ以外の用件については、“つい忘れてしまう”といったことが皆無ではありません。しかし、利用者さんからすると、ケアマネジャーは私1人です。1回でも連絡ミスなどがあれば、やはり信頼関係に関わってきます。それがiPad Airを使い始めてからは、その場で記録できるので、そうしたミスが起こりにくくなりました。また、より精緻に支援経過を記録できるようになりましたので、より良いケアプラン作りにも役立っていると思います」

大日向氏らにとって、介護サービスの質向上というのは、実は「予期していなかった効果」だったそうだ。提供サイドの予想を超えて、カイポケタブレットは在宅介護の現場で役立ち始めているのだ。

 

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