A10ネットワークスが100GbE搭載のADC最高位機種

A10ネットワークスは2014年4月17日、同社のADC(アプリケーションデリバリーコントローラー)「Thunderシリーズ」に4機種を追加すると発表した。100GbEポートを搭載する機種もある。

新製品の紹介に先立ち、A10ネットワークス代表取締役社長 兼 CEO アジアパシフィックジャパン ヴァイスプレジデントの小枝逸人氏は、3月21日に米A10 Networksがニューヨーク証券取引所に上場したことを報告。「これによって新たな成長を築いていく1つの大きなマイルストーンを無事、通過することができた」と話した。

A10は2004年の創業時から、いかに高速にユーザーのインターネット環境を保つかを追求して開発に取り組んできたという。その核となる技術が、同社独自のソフトウェア「ACOS」(Advanced Core Operating System)である。ACOSとハードウェアとの組み合わせにより、A10はADC製品「AXシリーズ」を2007年に市場へ投入した。

その後、スマートデバイスが普及し、さらにIoTやウェアラブルデバイスに注目が集まるようになる。「常につながっている時代から、思いついたら情報がほしい時代になってきた。頭に思い浮かんだ瞬間に調べて情報を得るというライフスタイルがすでに現実として現れつつある」(小枝氏)

こうした時代の変化に対応するため、A10が2013年にAXシリーズの後継として投入したのが「Thunderシリーズ」となるという。

100GbEインターフェースを4ポート備えたThnder 6630

今回発表されたのは、ミッドレンジモデルの「Thunder 4430/4430S」と「Thunder 5430/5430S」、ハイエンドモデルの「Thunder 5630」「Thunder 6630」の4製品。

Thunderシリーズのミッドレンジ・ハイエンドモデルのラインナップ
Thunderシリーズのミッドレンジ・ハイエンドモデルのラインナップ

ハイエンドモデルのThunder 6630は、A10のラインナップのなかで最高位機種となるもの。100GbEのインターフェースを4ポート搭載している。また、Thunderシリーズのなかでは最多のCPUコア数を搭載。従来の最高位機種である「Thunder 6430」が10コアを2つ、合計で20コアを搭載しているのに対して、Thunder 6630は12コアのCPUを2つ、合計で24コアを搭載している。これにより、Thunder 6430よりもレイヤ4CPS(コネクション/秒)が30%以上向上している。

Thunder 6630
Thunder 6630

筺体はThunder 6430が1Uだったのに対し、Thunder 6630では3Uになっている。その分、SSLチップを多く搭載できるため、今後、増え続けるSSLのトラフィックにも対応できる。SSLのCPSは、Thunder 6430よりも30%向上するという。

ADCが100GbEのインターフェースを持つメリットはいくつかある。1つは大容量バックボーンへの接続性の確保。「通信キャリアやISP、トラフィックが多い研究所といったところでは大きなメリットとなる」とA10ネットワークス APJ ビジネス本部APJソリューションエンゲージメント ソリューションアーキテクトの高木真吾氏は説明した。また、10GbEの光ファイバーを10本よりも100GbEのものを1本の方が引き回し易く、コスト的にも10GbEのインターフェースを10個買うよりも100GbEを1つ買った方が安くなるという。

「Thunder 5630」は、「AX 5630」というAXシリーズのハイエンドモデルのチューンナップ版。AX 5630は2+1の電源ユニットで完全冗長ではなかったが、Thunder 5630では、完全冗長の2+2にしてあるという。AX 5630のチューンナップ版のため、ASICは最新のFTA-3ではなくFTA-2を搭載している。

ミッドレンジの新製品も2機種を発表した。1つは「Thunder 4430」で、ベースモデルのほかにSSLのアクセラレータを付加した「Thunder 4430S」モデルがある。従来機「AX 3400」の次世代版であり、最新のCPUとFTA-3を搭載している。レイヤ4CPSはAX 3400と同程度だが、AX 3400ではFTAを2つ搭載していたのに対し、FTA-3を1つにしてコンポーネントの数が減らしたため、消費電力が約5%下がる。また、SSLの処理性能も向上しており、AX 3400に比べ、最大3.5倍の処理能力を持つ。

もう1つは「Thunder 5430-11」で、ベースモデルとSSLのアクセラレータを付加した「Thunder 5430S-11」がある。従来機の「Thunder 5430」をチューンナップした製品であり、CPUのコア数が8コアから10コアになっている。「レイヤ4のCPSも35%アップさせている。また、SSLの処理性能もThunder 5430と比べて60%ぐらいアップしている」(高木氏)という。

新製品の価格は、Thunder 4430のAC電源モデルが1055万9000円(税別、別途テクニカルサポート費用が必要)から。全モデルとも5月12日から受注を始め、出荷開始はThunder 4430/4430SとThunder 5430/5430Sが5月19日。Thunder 5630とThunder 6630が2014年第2四半期からになる。

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