企業向けSNSベンダーの米Jiveが日本参入、「生産性を20~30%上げられる」

米国の企業向けSNSプラットフォームベンダー、ジャイブ ソフトウェアが日本市場に参入した。アルカテル・ルーセント、アウディ、ディズニー、ソニー、アドビなど、全世界800社での採用実績があるという。

企業向けSNSプラットフォーム「Jive」を提供する米ジャイブ ソフトウェアは2013年9月3日、日本市場への参入を発表した。日本オフィスを設立し、リコーITソリューションズとTISと代理店契約を締結した。

Jiveの画面
Jiveの画面。目的の情報をコンテンツリストを探す「コンテンツ」、必要な情報を持っている専門家を探す「ピープル」、質問やディスカッションを行う「プレイス」の大きく3つのカテゴリで構成される

FacebookやTwitterなどのSNSがコンシューマ市場で広く利用されているが、企業向けSNSとはソーシャル技術を活用して従業員同士や社外パートナーとのコラボレーションなどを効率化・活性化するコラボレーション基盤のこと。代表的な製品・サービスとしては、セールスフォース・ドットコムの「Salesforce Chatter」、マイクロソフトが買収した「Yammer」などが知られているが、Jiveも全世界で約800社が採用という実績を有する。

Jiveの導入企業
Jiveの導入企業。1年前から日本語化されており、すでに日本企業への導入実績もある

同社プレジデント兼ワールドワイド・フィールドオペレーションのジェイ・ラーソン氏は、「我々の成功要因は、お客様のビジネス価値に焦点を当てたことにある」と説明している。ラーソン氏のいうビジネス価値とは、具体的には社員の生産性のこと。「Jiveは生産性を20~30%上げることができる」

マッキンゼーの調査によると、一般的なホワイトカラーは、1週間のうち28時間をメール対応や情報検索、ミーティングに費やしているという。しかも、「その半分はまったく無駄な時間といわれている」そうだ。週5日8時間労働の場合、1週間の労働時間の合計は40時間。そのうち28時間というと実に70%に相当する。つまり、マッキンゼーによれば、35%の時間は無駄に使われているということだ。

そこでソーシャル技術の出番である。

日本オフィス マネージャーの藤武琢也氏が、従来型コラボレーションの課題の一例として挙げたのは、チーム外の情報や専門家にアクセスしたいケース。「情報を待つ人を探す、待ち時間が長く発生する」。メールなどの従来型コミュニケーションでは、欲しい情報を持っている人にたどり着くまで、大変な時間がかかってしまう。

チーム外の情報や専門家へのアクセスにかかる時間を効率化
チーム外の情報や専門家へのアクセスにかかる時間を効率化

しかし、Jiveを有効に活用している企業では、コミュニティ上にさまざまなドキュメントが上がっており、目的の情報に簡単にアクセスが可能。また、コミュニティに参加している他部門の同僚などの中から、自分が欲しい情報を持っていそうな人を素早く見つけることもできる。

さらに、探している情報が見当たらない場合でも、コミュニティ上で質問することで、部門の壁を越えてコミュニティ全体に情報提供を求めることができるという。

コンサルティング会社がJiveのユーザー企業400社を調査したところによると、Jiveを導入した結果、平均でメールは21%、会議は16%削減、情報検索時間は34%削減され、生産性は15%向上しているとのことだ。

顧客向けのソーシャルプラットフォームとしても

他の企業向けソーシャルと比較した機能面での特徴としては、クラウドとオンプレスの両方の提供形態を用意していること、UIの使い易さ、モバイル対応、他のエンタープライズアプリケーションとの統合性などが強調された。

UIに関しては、ブラウザ上でドキュメントの内容と、そのドキュメントに付されたコメントを確認可能。ドキュメントの閲覧数や評価も表示される。画面デザインも自社のロゴを入れられるなど、カスタマイズ可能とのことだ。

ブラウザ上でドキュメントを表示したところ
ブラウザ上でドキュメントを表示したところ

また、「外部・内部のコミュニティに同じプラットフォームで対応できるのもJiveの素晴らしいところ」(ラーソン氏)だという。従業員同士や社外パートナーとの閉じたコラボレーション基盤としてだけではなく、顧客同士のコミュニティなどもJiveで実現可能だ。FacebookやTwitterなどとの連携も行える。

例えばT-Mobileは社内コラボレーション用途に加えて、顧客向けのサポートコミュニティとしてもJiveを活用しているという。

Jiveの利用料金は1ユーザー当たり月額12ドルで、日本での実際の提供料金はパートナーによる。TISは9月3日から、リコーITソリューションズは10月から提供を開始する。

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