進化するスマートデバイス活用ツールスマホ/タブレットを業務端末の主役に(後編)――FMC、POS、ペーパーレス会議などを使いこなせ

メール/グループウェアに代表される“定番”から業務端末の置き換えまで、スマートデバイスの利用分野が広がっている。後編では、FMC、POS、ペーパーレス会議など導入効果が明確な活用ツールの最新動向をレポートする。

電話だって進化する

“定番”であるメール/グループウェアの活用に加えて、その他のコミュニケーションツールにも活用の幅を広げることで、スマートデバイスの導入効果は高めることが可能になる。まず手を付けたいのが電話だ。スマートフォンの内線化(FMC)や、IP電話サービスとの連携が有効だ。

内線化の方法は、(1)通信キャリアのFMCサービスを利用するものと、(2)スマホにソフトフォンアプリを入れてIP-PBXの内線端末として収容するものとの2つがある。(1)は、通話品質の安定性がメリットだが、同一キャリア内に内線通話先が絞られる。

(2)は、キャリアを問わず内線化できるが、3G/LTE、WiFi経由のVoIP通話となるため、音声品質が利用環境に左右される。どちらの方式にも一長一短がある。

現状では、通話品質を優先してキャリアサービス型を選択するユーザーが多いとみられるが、端末数が増えればサービス利用料がかさむ。FMCを導入した企業からは、「IP-PBXメーカーの内線アプリさえ整えば、アプリ型に変える」という声も聞こえてくる。

もう1つ、(2)のアプリ型で見逃せないのが、アプリの作り込みによって電話の使い勝手そのものを向上させられる点だ。例えば、IP-PBX内の電話帳データを遠隔から操作する形態として、端末内にデータが残らないようにしたり、管理者側で一括更新できるようにする。また、通話相手のプレゼンスを表示させたり、メールやチャットとコンタクト履歴を統合するといった使い方も広がる。

このようなIP-PBXとの内線連携まで実現するにはある程度のコストと時間もかかるが、より安価に、IP電話サービスを使って社員間の通話を無料化する(スマホで050番号を使う)こともできる。特にBYOD環境では、ビジネス用に050番号を使えば、プライベートを侵食されることがなくなり、通話料の公私分計も容易になる。

スマートフォンを内線化するFMC
スマートフォンを内線化するFMCや、プレゼンス/IM等と連携するユニファイドコミュニケーション端末として利用するソリューションも次々登場している

コンシューマ市場ではLINEをはじめ、無料のVoIP通話が普及した。要件や相手の状況に合わせてチャット・SNSと音声通話を使い分け、コミュニケーションのリアルタイム性を高めるスタイルも定着してきている。その便利さとコスト削減効果は、ビジネスの場にもぜひ活かすべきだ。

企業向けのIP電話サービスとしては、NTTコミュニケーションズの「050 plus for Biz」がある。通話料が削減できるだけでなく、複数IDの一括請求によって精算業務を簡略化したり、「.Phone IP Centrex」を契約すればオフィス内のIP電話と内線番号で通話できたりといった多様な機能を備えている。

月刊テレコミュニケーション2013年3月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

続きのページは、会員の方のみ閲覧していただけます。

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

FEATURE特集

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。