日本マイクロソフト 米野氏「モバイルワークスタイルの決め手は“生産性の維持”」 ~UCサミット2012レポート

UCの導入やワークスタイル変革を成功に導く秘訣は何か? 日本マイクロソフトの米野宏明氏はUCサミット2012で、よくある失敗パターンに「部分最適」があると指摘。「ツールの統合ではなく、情報伝達プロセスの統合を目指すこと」「場所を問わない生産性を実現すること」が重要と解説した。

「ユニファイドコミュニケーション(UC)というと、細かなツールの話になりがちだが、もっとコミュニケーションの全体像を大きく捉えて、どのようなコミュニケーション手段が最適なのかを考えてほしい」

5月16日に開催された「UCサミット2012」で、こう講演を切り出したのは日本マイクロソフトの米野宏明氏である。

日本マイクロソフト Officeビジネス本部 エグゼクティブプロダクトマネージャー 米野宏明氏
日本マイクロソフト Officeビジネス本部 エグゼクティブプロダクトマネージャー 米野宏明氏

米野氏のいう「コミュニケーションの全体像」とは、ビジネスバリューを生み出す情報伝達プロセス全体を指している。

同氏によると、情報は次の4つに分類することが可能だという。(1)売上の数字など、客観的事実を表す「データ」、(2)意志に基づき再編されたデータである「文書」、(3)経験に基づき再編された「知識」、(4)知識から生み出される新しいアイデアである「知恵」だ。

そして、これら4つの情報を交換するのが広義のコミュニケーションであり、「コミュニケーションを人と人との会話に限定する狭義の考え方もあるが、それでは“部分最適”にしかなり得ない」と指摘した。

情報伝達プロセス全体を総合的に捉えることが、UCを検討するにあたっては重要だという

UCの究極的な役割とは?

部分最適とは、例えばこういうことだ。社内で共有された「文書」を参照中、その内容についてもっと理解を深めたいと思ったとする。こうしたとき最も良いのは、その「文書」の作成者に直接聞くことだ。「文書」を起点に、「知識」へのコミュニケーションニーズが発生するわけだが、その作成者が異なる部署の知らない人だったりすると、コミュニケーションの敷居はどうしても高くなる。

しかし、その「文書」上に相手のプレゼンス(在席状態)が表示され、テキストチャットや内線、メールなど、そのときに最適な手段ですぐアクセスできたとしたらどうか。

日本マイクロソフトが提供するUCソリューション「Microsoft Lync」では、(1)ビジネスチャットとプレゼンス、(2)オンライン会議、(3)外線発着信の3つの機能をシングルインターフェースで実現できるが、既存システムとの連携性の高さも大きな特徴の1つになっている。Lyncの機能は、OfficeドキュメントやOutlook、SharePointから直接利用できるほか、WebベースのアプリケーションなどにLyncのコミュニケーション機能を組み込むことも簡単に可能だ。

Microsoft Lyncの概要
Microsoft Lyncの概要

つまり、Lyncでは、コミュニケーションツールの統合にとどまらず、「情報の伝播経路の統合」も容易に実現できる。

「このように情報のつながりを総合的に捉えないと、コミュニケーション全体の効率化は難しい。必要な情報すべてに対し、素早くアクセスできるようにしていくのが、UCの究極的な役割だ」と米野氏は語った。

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