「垂直統合モデルの“復活”へ4つのアプローチ」――NECがキャリア事業戦略説明会

NECがキャリアネットワーク事業に関する説明会を開いた。スマートフォンが急増するなか、キャリアは“土管化”という課題に直面するが、どうすれば収益を拡大できるのか。M2M、キャリアクラウドなど、NECでは4つのアプローチをキャリアに提供するという。

NECは2011年10月12日、通信事業者向けビジネスに関する説明会を開催した。まずは執行役員常務でキャリアネットワークビジネスユニット(BU)担当の手島俊一郎氏が登壇。キャリアネットワーク事業の概況と成長戦略について語った。NECのキャリアネットワークBUはかねてから4つの重点領域を設定しているが、会見でもこの4つに関して1つずつ説明が行われた。

重点分野の1つめは、LTEシステムやフェムトセルなどの「ワイヤレスブロードバンドアクセス事業」だ。LTEシステムについては国内でNTTドコモとKDDIから受注しているが、海外でも強みのスモールセルソリューションと、先般発表されたシスコとの協業をテコに推進していくという。中国WRI社と共同開発するTD-LTEに関しても、中国でのトライアル参加を橋頭堡に他市場に展開していくとした。さらにフェムトセルでは、ロシアとクウェートから商用システムを受注するなど、順調に商用/トライアルの顧客数を伸ばしているという。

ワイヤレスブロードバンドアクセス事業における重点施策
ワイヤレスブロードバンドアクセス事業における重点施策

2つめは、パソリンクの「モバイルバックホール事業」である。2010年9月から出荷を開始した新シリーズ「iPASOLINK」の出荷台数が10万台を突破。パソリンク全体に占めるiPASOLINKの比率は今年度2Qに50%以上になるなど、着実に新シリーズへのシフトが進んでいるという。また、従来のパソリンクが基地局を収容する「アクセス」向けのみだったの対し、iPASOLINKでは「アグリゲーション」および「メトロ」へと適用領域も拡張しているが、これらの出荷も拡大しているとのこと。加えて、円高やコスト競争への対応力を高めるため、iPASOLINKの海外資材調達比率を前年度と比べて10ポイント強拡大する計画であるほか、インドでの生産も開始する予定であることが説明された。

iPASOLINKシリーズの出荷状況
iPASOLINKシリーズの出荷状況

3つめは「海洋システム事業」である。手島氏によると「国際間トラフィックの急増に伴って、今後数年間、市場規模は安定的に推移すると見ている」とのこと。ただ、その一方で海洋システム事業は受注の波などが大きいため、アジア太平洋地域に加えて、今後は大西洋地域へも展開していくことでビジネスの安定化を図るという。さらに40G/100Gbps光技術の海洋システムへの早期適用などにより、グローバル競争力を高めていくとした。

海洋システム事業の重点施策
海洋システム事業の重点施策

4つめは「サービス&マネジメント事業」だが、実はここがNECのキャリアネットワーク事業にとって最大の成長領域。続いて登壇した執行役員 兼 キャリアサービス事業本部長の山口昌信氏が詳細な説明を行った。

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