リコーがテレビ会議市場で真っ向勝負――OA機器最大手はなぜUC事業に参入するのか?

OA機器最大手のリコーがユニファイドコミュニケーション市場に参入する。独自コンセプトの新製品とクラウドサービス、そして強大な販売力を武器に、既存のテレビ会議/Web会議ベンダーに真っ向勝負を挑むという。

ここしばらく国内ベンダーに目立った動きのなかったユニファイドコミュニケーション(UC)市場だが、間もなくそこに有力なプレイヤーが加わる。Unified Communications System(UCS)事業を新規に立ち上げたリコーだ。

同社は2月7日に、映像コミュニケーションを中心に事業領域を拡大すると発表した。その第1弾として今夏、映像コミュニケーション機能を提供するクラウドサービスを開始。あわせて、独自の遠隔テレビ会議システムも発売する予定だ。

OA機器最大手が突然打ち出したUC市場への進出計画。現在“仕込み中”の新製品・新サービスはどのようなものなのだろうか。

映像コミュニケーションの新たな利用シーンを創出

「映像コミュニケーションの新しい利用シーンを創り出す」。総合経営企画室・新規事業開発センター・UCS事業室の中村英史室長は、新事業の狙いをそう語る。

図表1は、UCS事業の全体像を表したものだ。リコーのサービスプラットフォームを基盤として、自社開発のテレビ会議システムや、PCやスマートフォン、タブレット端末など多様な情報機器を活用できる映像コミュニケーション機能をクラウドサービスとして提供する。

図表1 リコー ユニファイドコミュニケーションシステム(UCS)事業の全体像
図表1 リコー ユニファイドコミュニケーションシステム(UCS)事業の全体像

最初の攻め口は、企業内で使ういわゆる「テレビ会議」だ。順調に成長するこの市場でまず事業を立ち上げ、その後、利用シーンをテレワークやモバイルワークといった社外へ拡大。さらに、会議専用機器だけでなくPCやスマートフォン、タブレット端末などからも利用できるサービスに育てていく。

こう説明すると、少なくとも第1段階においては「リコーがテレビ会議システムを発売する」というに過ぎない。だが、新製品とサービスが実際に市場に投入される際には、大きなインパクトをもたらしそうだ。

月刊テレコミュニケーション2011年4月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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